アバディーン、ワシントン
ポートランドはいい町だ、と、直感したので今日のところはそのままにしとき
たい、という気分になった。なぜなら寝てなくてだんだん疲れてきたので、
このまま町を歩き回ったらたぶんしんどくなって「もうポートランドはいらんわ」
とか思ってしまいそうだったからだ。その代わりにどこに行こうか、と考えた。
北か南か。ここはひとつカート・コバーンの生まれ故郷、アバディーンに行こか
ということでI-5を北上した。今回のたびは一人だったのでフトンを持参した。
眠くなったらどこかで眠る腹だ。早速、眠くなったのでレストエリアで
仮眠をとった。暑かったけど、よく眠れた。
前回、アバディーンを訪ねたのは3年前、コルビーの学校見学に初めてアメリカ
に来たときだ。あの時思ったのは「思ったよりもいいところ」だった。
中西部の平らな道をひたすら走った後にはオレゴン、ワシントンあたりの
森、川、海はとても豊かな自然の恵みに思えて楽しくなってきたものだった。
さて、今回はというと何かが前回とは違う。今回はステイトハイウェイ?12
を使って、もっとローカルなところから町に迫った。いわゆる
”ホワイトトラッシュ”的家や、ガラクタ屋が並ぶ集落を何個か通過すると
Elmaという少し大きめの町を通過した。たまたま高校の前を通ったからか
不満たらたらの顔をした若い子たちをいっぱい見た。それからしばらくすると
森の中をとおりアバディーンが見えてきた。アバディーンは林業の町でしかも
港なのでいわゆる木場になっている。結構な量の材木が海に沿って積んである。
でかい町だ。でかいけれどもそんなにでかいわけではない。しかしこの町は
いつもなぜか渋滞している。なんなのだろう。そのうち雨が降ってきた。
ドライブしながらNirvanaを聞いていたけど、あまりに典型的すぎて居心地が
悪くなってきたので違うのを聞くことにした。ところどころに壊れかけた
家がある。ダウンタウンは終わってる感じが漂っていてなんとなく”グランジの
故郷”的情緒がある。海に面している鉄橋や桟橋はいい具合に枯れていて
心がすさみそうだ。しかし一方でウォルマートのスーパーセンターがあったり、
オフィスデポがあったり、なんだかんだ人が多い。ただ、天気のせいか人の
目つきがキツイ気がしないでもない。小さな町なのに道路に頭のおかしい
見たいな人が叫んでたり、個性的な乞食ファッションの人も結構いる。
結構うるさい改造車が目立つ。
今回は結構、この町の憂鬱な感じを受け取れたような気がする。
しかし、憂鬱なら売るほど持っている。だからはっきり言っていらない。